会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

アクセスカウンタ


制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia
© TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
関東信越税理士界『論陣』掲載論文(PDF 3枚)
『有償支給取引と循環取引に内在する
 税務リスクについて』
執筆者 税理士 高田 直芳

zoom RSS 公認会計士高田直芳:外資系コンサルティングファームを人差し指一本で投げ飛ばす

<<   作成日時 : 2016/06/05 01:00   >>

トラックバック 0 / コメント 0


外資系コンサルティングファームを
人差し指一本で投げ飛ばす

『高田直芳の実践会計講座 原価計算』
補足説明



先日、某上場メーカーから問い合わせがありました。
似たような問合せが、私(高田直芳)のところへ、しばしば寄せられます。
その共通項を以下で紹介しましょう。
【資料1】
  1. 弊社(某上場メーカー)では、コンサルティングファームの指導で、原価計算システム(管理会計システム)を導入しました。

  2. 導入当初は、原価差異(予算と実績の差額)が異常に大きい値として現われました。

  3. その原因は「操作が不慣れなせいだ」と、コンサルティングファームから説明されて、当時は引き下がりました。

  4. ところが、何年経過しても(現在でも)、原価差異が異常に大きな値となって現われ続けます。

  5. 「これはシステムバグではないか」とコンサルティングファームへ問い合わせたところ、コンサルティングファームからは次の回答がありました。

    1. コンサルティングファームが提供する原価計算システム(管理会計システム)の理論は、企業会計審議会『原価計算基準』に従ったものである。

    2. コンサルティングファームが提供する原価計算システム(管理会計システム)は、数多くの導入実績がある。

    3. 理論面でも実績面でも、コンサルティングファームが提供する原価計算システム(管理会計システム)に、誤りはない。

    4. 原価差異が異常に大きな値となって現われる原因は、貴社(上場メーカー)の会計処理そのものに誤りがあるからである。

  6. しかし、弊社(上場メーカー)は、大手監査法人の監査を受けており、自社の会計処理に誤りがあるとは考えられません。


さぁて、どこに問題が隠されているのでしょうか。
結論を簡単に述べると、これはアンデルセンの代表作『裸の王様』と同じ構造です。

「愚か者には、この衣装を見ることができません」と主張する仕立屋が、コンサルティングファームです。

そのコンサルティングファームへ高額の報酬を支払い、愚か者呼ばわりされたくない上場メーカー(王様とその家来)は、原価計算システム(管理会計システム)をあれこれと操作しながらも、改善策が見つからず、自己嫌悪に陥ります。


問題の本質は、上記【資料1】 2. と 4. にある「原価差異」の計算方法にあります。

原価差異は、次の1.と2.の差額から求められます。
【資料2】
  1. 予算 …… 予定原価・標準原価
  2. 実績 …… 実際原価・実績原価

まず、上記【資料2】2.について見てみましょう。
製造業に限らず、流通業や、本社の財務部門・経理部門を観察すると、次の事実を観察することができます。
【資料3】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。

    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。

    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。

    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
  • マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限連鎖の複利計算を行なっていくことと同じです。

つまり、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造の本質は、複利計算構造にあることがわかります。

それを数学的に証明したのが、次の【資料4:関連記事】です。
【資料4:関連記事】

では、上記【資料2】1.の予定原価や標準原価は、どうなっているか。

その理論的な根拠となる、企業会計審議会『原価計算基準』を3回くらい読み返すと、この会計基準は、1次関数の単利計算構造で構築されていることがわかります。
上記【資料2】以外でも、以下のものはすべて、単利計算構造に基づいています。
【資料5】
  • 直接原価計算制度
  • スループット会計
  • 活動基準原価計算(ABC/ABM)

単利計算構造のモノサシ(予定原価・標準原価)で、複利計算構造のコスト(実際原価・実績原価)を測定したところで、納得のいく実務解(原価差異)が得られるわけがないのです。
これを「理論上の瑕疵(かし)」といいます。

複利で運用した預金利息を、単利計算構造の1次関数で検算できるわけがない。
そんなこと、『裸の王様』に登場する子供でもわかる話です。

ところが、現在の原価計算システム(管理会計システム)には「理論上の瑕疵」があることを、コンサルティングファームも、上場メーカーも理解していないのです。


『裸の王様』に登場する仕立屋は、「悪意あるペテン師」です。
仕立屋は、自分たちがペテン師であることを知っている。

ペテン師に悪意がある場合は、まだ救いようがあります。
「こんなことをしていては駄目だよ」と指摘されれば、彼らはシッポを巻いて逃げていきますから。

だから、次の受賞論文に記述されていることを、王様もペテン師も、多少なりとも理解できるはずです。
【資料6】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

上記の受賞論文などにある方程式を、公式集としてまとめたのが、次の関連記事です。
【資料7:関連記事】

その日その日を平々凡々と暮らしている人たちには、理解不能な公式集です。


始末に負えないのが、自分たちが上場メーカーに提供している原価計算システム(管理会計システム)に、「理論上の瑕疵」があるとは自覚していない「善意のコンサルティングファーム」です。

特に、外資系コンサルティングファームともなると、ニッポン企業を見下しているところがあるので、処置なしです。
「オレハ、オマエニ用事ガアルカラ、オレノトコロニ、訪ネニコイ」というのは、(外資系に限らず)コンサルティングファームに共通する態度のようです。


童話では、「愚か者には見えない衣装」を着せられて、うろたえる王様ですが、「朕には見えないぞ」とは言えず、家来とともに右往左往することになります。

原価計算システム(管理会計システム)を利用する上場メーカーも、同様に右往左往します。

ニッポン企業は総じて「外資系」というブランドに弱く、へいこらへいこらするので、どの上場メーカーも声を大にして反論する勇気がない。

「他社はうまく運用できているのだろう。自分たちの会社だけが駄目なんだな」と自己嫌悪に陥るのです。


悪いのは、妙ちくりんなプライドに縛られている上場メーカーのほうなのか。

いえいえ、コンサルティング会社にも上場メーカーにも、共通する素因があります。
【資料8】日本経済新聞「大機小機/思考停止が悪を生む」2015年6月11日

自分を持たず思考や判断の基準を他に依存する真面目な組織人で、組織の方針に忠実に従うことで評価を得、責任あるポジションに就きながらも行いの是非も問わず「思考停止した人間」が無自覚な悪をなす。


企業活動は複利計算構造を内蔵するにもかかわらず、それを単利計算構造でゴリ押ししようとするのは、思考停止もいいところ。

そんな連中、たとえ10万人が束になってかかってきても、私なら人差し指一本で投げ飛ばします。

いくら無自覚でも、素っ裸で転べば、自らの過ちに気づくでしょう。

【その他の関連記事】
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia

© TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.

テーマ

注目テーマ 一覧



月別リンク

会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia

© TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.

日経eラーニング


独自システム開発


高田直芳 公表論文

『会計学と原価計算の革新を目指して』
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
『有償支給取引と循環取引に内在する税務リスクについて』

高田直芳 拙著一覧


公認会計士高田直芳:外資系コンサルティングファームを人差し指一本で投げ飛ばす 会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる