会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

アクセスカウンタ


制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia
© 2015 TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
関東信越税理士界『論陣』掲載論文(PDF 3枚)
『有償支給取引と循環取引に内在する
 税務リスクについて』
執筆者 高田 直芳

zoom RSS 公認会計士高田直芳:職業的懐疑心という御題目

<<   作成日時 : 2016/02/14 01:00   >>

トラックバック 0 / コメント 0


職業的懐疑心という御題目


昨年(2015年)の東芝問題をキッカケに、会計監査に携わる者に「職業的懐疑心」を求める声が多くなりました。

職業的懐疑心は、目新しい用語ではありません。
日本公認会計士協会『ハロー!監査事典』では、次のように定義しています。
【資料1】日本公認会計士協会『ハロー!監査事典
  • 職業的懐疑心

    監査という業務の性格上、監査計画の策定から、その実施、監査証拠の評価、意見の形成に至るまで、財務諸表に重要な虚偽の表示が存在する虞に常に注意を払うことを求めるとの観点から、監査基準において特に強調して定められている。


御題目を唱えるのは、誰でもできます。
それを実践するのは難しい。

どれほど難しいか、財務会計論と管理会計論で証明してみましょう。


財務会計論の中核をなすのは、簿記です。
これはヨーロッパの大航海時代の頃から急速に広まって、500年くらいの歴史があります。

簿記の基本は、借方(かりかた)と貸方(かしかた)にあります。
現金預金出納帳という帳簿でいえば、借方は「入金」を表わし、貸方は「出金」を表わします。
これを組み合わせたものを、仕訳(しわけ)といいます。

様々な仕訳の種類を学問的にまとめ上げたのが簿記であり、これに貸借対照表・損益計算書の様式や会計理論を加えたものが、財務会計論です。


上場企業のような大規模組織になると、現金出納帳に記入される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。
振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

現金出納帳に記入される、これら無限ともいえる仕訳の数を、ぐっと睨んでいると、そこには、ある特徴があることに気づきます。
入金と出金を無限に繰り返すその様は、「無限連鎖の複利計算を行なっているのだ」という事実です。

その事実を拡張して解釈すると、「企業活動は、無限の複利計算構造を内蔵した生きものだ」となります。


ところが、この500年間、数多くの学者や実務家たちが、現金出納帳をはじめとする帳簿を見ていながら、誰一人として、「企業活動は、無限の複利計算構造を内蔵した生きものだ」と指摘したことがないのです。
日本だけでなく、欧米でも同様です。

そうした風潮に楯突いて、「企業活動は、無限の複利計算構造を内蔵した生きものだ」と指摘したのは、次の【資料2】に掲げた受賞論文が初めてです。
【資料2】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

世に数多くいる学者や実務家に、「無限の複利計算構造」という思考がないことは、管理会計論から証明することができます。

管理会計を論ずる書籍や、ビジネススクールのテキストを参照すると、そのすべてにおいて、次の【資料3】に掲げる図表が掲載されています。
【資料3】CVP図表
画像

上記【資料3】の図表を用いた手法を、CVP分析といいます。
日本では、損益分岐点分析や限界利益分析と呼ばれています。

上記【資料3】にある線分OAを消去すると、「公式法変動予算の図」となり、これが管理会計論の中の、そのまた奥にある原価計算論で、予定原価や標準原価を計算する基礎となります。
「公式法変動予算」は別名「シュラッター図」ともいいます。


上記【資料3】の特徴は、右上がりの直線BCにあります。
これは1次関数( \(\displaystyle \large y=ax+b \) )で表わされます。

1次関数というのは、単利計算構造のこと。

したがって、現代の財務会計論を語る人たちに「複利計算構造」という発想はなく、現代の管理会計論(原価計算論)は「単利計算構造」で構築されていることがわかります。

上場企業をはじめとする会計システムでは、そのすべてに、なんとかの一つ覚えみたいに上記【資料3】が搭載されていて、抱腹絶倒してしまうのであります。

監査を受ける企業に、職業的懐疑心など望むべきもなし。
企業がどれほど大きな看板を掲げていても、権威主義で固められた通説に楯突く度胸など、あるわけもなし。


「管理会計論には、ディスカウント・キャッシュフロー(DCF)という複利計算の理論があるぞ」という反論があることでしょう。

いえいえ、DCFは、1年間に1回か2回の「とびとびの複利計算」です。
私が主張しているのは、企業1社で、1年間に数億回・数十億回も繰り返される「無限の複利計算」です。

企業活動の本質が、「無限連鎖」の複利計算構造であることを唱えたのは、上記【資料2】の受賞論文だけです。
お間違いのなきように。

ちなみに、、企業活動を「無限の複利計算構造」で描くと、次の【資料4】になります。
【資料4】
画像

上記【資料4】にある曲線ABCDEは、複利曲線を表わします。

上記【資料4】の図表は、【資料2】の受賞論文5ページに掲載しています。


簿記を中核とした財務会計論の歴史は500年有余。
管理会計論は、20世紀初頭に始まって、その歴史は100年有余。

それだけの歳月を重ねながら、企業活動の本質が「無限の複利計算構造」にあることを、誰一人として見抜けなかった。

職業的懐疑心など絵空事であることを、歴史がよく証明してくれています。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia

© 2015 TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.

テーマ

注目テーマ 一覧



月別リンク

会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia

© 2015 TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.

日経eラーニング


独自システム開発


高田直芳 公表論文

『会計学と原価計算の革新を目指して』
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
『有償支給取引と循環取引に内在する税務リスクについて』

高田直芳 拙著一覧


公認会計士高田直芳:職業的懐疑心という御題目 会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる