会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
関東信越税理士界『論陣』掲載論文(PDF 3枚)
『有償支給取引と循環取引に内在する
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執筆者 高田 直芳

zoom RSS 公認会計士高田直芳:人工知能AIが会計と監査を支配する

<<   作成日時 : 2016/01/16 01:00   >>

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人工知能AIが
会計と監査を支配する



日本経済新聞で、次の記事が掲載されていました。
【資料1】日本経済新聞2016年1月12日

急速に実用化が進む人工知能AI技術の影響についても聞いた(複数回答)。

AIの登場で将来、ニーズの低下が見込まれる資格として、日商簿記検定(1〜3級、7.6%)や英語能力テスト(6.5%)といった会計系や語学系資格が多く挙がった。

いずれもコンピューターとの親和性が高くAIでの代替が可能と見られたようだ。


上記の記事は、十分に予想される話です。

いずれ、不正会計や粉飾決算も、人工知能AIが考案することになるでしょう。
企業経営者が「利益をもう少し嵩上げせよ」と呟けば、人工知能AIは「イエス、ボス」と応えるはずです。

会計監査も、人工知能AIが仕切ることになるのでしょう。
財務諸表や帳簿を、画像診断装置にでもかざせば、黄信号や赤信号がともるのかも。

不祥事が起きるたびに作成される「第三者委員会報告書」も、人工知能AIが作成することになるのかな。


ただし、人工知能AIにも限界があります。
それは、「創造力」や、「問題発見・問題解決の能力」がないこと。

例えば、会計学や経済学などのノウハウをインプットされた人工知能AIは、企業のコスト構造を、1次関数で描いたり、2次関数や3次関数で描いたりすることでしょう。

ひょっとしたら、4次関数や5次関数で描こうとする人工知能AIがあるかもしれません。

しかし、企業のコスト構造を、1次関数・2次関数・3次関数で描くことを「オカシイゾ」と見抜く(問題発見する)能力は、人工知能AIにはありません。

ましてや、それ以外の関数で、企業のコスト構造を描こうと考える(問題解決する)能力は、人工知能AIにありません。


人工知能AIは、いままで、膨大な会計処理を扱ってきました。
これからも、膨大な会計処理を扱うことでしょう。

どれだけ膨大な会計処理であろうと、その基本は、借方と貸方の繰り返しです。
それは、入金と出金の繰り返しです。

数十万件・数百万件という、ほとんど無限の入金と出金を繰り返す仕訳を、瞬時に処理する人工知能AIといえども、「コレハ無限ノ複利計算ダ」と見抜く人工知能AIは現われないのです。


現実の企業活動を、よくよく観察してみてください。
次に示す事実が判明します。
【資料2】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。

    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。

    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。

    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限回数で繰り返すその様は、無限で連鎖する複利計算を行なっていることと同じです。
  • 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限回数の複利計算を行なっていくことと同じです。

すなわち、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造は、無限回数で連鎖する複利計算機構を内蔵していることがわかります。

19世紀から20世紀を経てこの21世紀に至るまで、数億人にものぼる人たちが、企業活動を観察してきたはず。

ところが、「これは無限の複利計算だ」と気づいた人は、いままで一人も現われなかったのです。


企業活動は「無限の複利計算構造を内蔵」し、それは「複利関数をもって描かれるべきだ」と唱えたのは、次の受賞論文が初めてです。
【資料3】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

上記【資料3】の受賞論文では、企業のコスト構造を「複利関数」で描いています。
それが次の【資料4】の図表です。
【資料4】タカダ式操業度分析
画像

上記【資料4】で描かれている曲線ABCDEは、複利曲線です。

この曲線を、人間が人工知能AIに、1次関数や2次関数で描くことを強要するとどうなるか。
その矛盾する様子を、現在の原価計算制度やコスト管理手法に見ることができます。


現在の原価計算制度やコスト管理手法は、上場企業から中堅中小企業に至るまで、1次関数で運用されています。

1次関数というのは、預金の利息計算でいえば、単利計算です。

複利計算構造を内蔵する企業のコスト構造を、単利計算で解き明かそうというのは、どう考えても「理論上の瑕疵(かし)」がある。
複利運用された預金利息を、単利計算で検算しようとしても、理論上の瑕疵があるのと同じこと。

それでも無理を通そうとすると、どのような矛盾が吹き出すか。
マイナスの原価差異と、プラスの原価差異とが交互に現われるのです。

これについては、次の2本の関連記事で言及しました。
【資料5:関連記事】

繰り返し注意喚起しておきますが、マイナスの原価差異とプラスの原価差異が交互に現われるのは、複利計算構造を内蔵する企業のコスト構造を、単利計算で解き明かすことによって現われる「瑕疵の証拠」なのです。

なお、「原価差異って何?」と首を傾げているようでは、「ヒトの退化」です。
「人工知能AIの進歩」と相まって、「会計のブラックボックス化」に拍車がかかるでしょう。


驚くべきことは、予定原価や標準原価に限らず、スループット会計、活動基準原価(ABC・ABM)、原価企画などもすべて、単利計算構造で構築されているという事実です。

上場企業から中堅中小企業に至るまで、「全員、右へ倣え」の原価計算制度やコスト管理手法を見聞するたびに、実務を知らぬ学者の権威にへいこらへいこらと媚びる、実務家たちの滑稽ぶりを見出します。

それは次の関連記事で述べました。
【資料6:関連記事】

理論上の瑕疵(かし)を、人間に諭す能力は、AIにはありません。
これも、人工知能AIの限界です。


もちろん、上記【資料3】の受賞論文を人工知能AIにインプットすれば、人工知能AIは、複利計算構造を内蔵した企業のコスト構造を、複利曲線で描いてくれることでしょう。

ところが、現実は、そううまくはいきません。
なぜなら、人工知能AIは、次の警告文を表示するはずだからです。
コンプライアンス(法令遵守)違反デス。

このケースにおける法令は、著作権法です。

コンプライアンスを判断できない人工知能AIは、不正会計や粉飾決算に手を染める能力を備えているといえます。
しかし、そんなものは、人工知能AIとは呼べません。

犯罪への抑止力を有しているかどうかが、人工知能AIと、ただの表計算ソフトとの境目になるでしょう。


企業のコスト構造を、無限の複利計算構造で解き明かすことを論じた学術論文は、【資料3】のみです。
日本だけでなく、欧米にも、同旨の学術論文や書籍は存在しません。

人工知能AIが、今後どれだけ進歩しようとも、【資料3】や【資料4】を真似することは、コンプライアンス違反なのです。
それが「会計系AI」の限界です。

権威に媚びず、人工知能AIにもデカい顔をさせない。
そんな実務家でありたいと心掛けています。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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