会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia
© 2015 TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
関東信越税理士界『論陣』掲載論文(PDF 3枚)
『有償支給取引と循環取引に内在する
 税務リスクについて』
執筆者 高田 直芳

zoom RSS 公認会計士高田直芳:企業価値と理論株価の求めかた

<<   作成日時 : 2015/11/16 01:00   >>

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今回は、関連記事『一般公式や実務解を示さずに「企業価値」を得意気に語る人々がいる』の応用編であり、上場企業の理論株価(理論上の株価)の求めかたの話です。

関連記事は次の通り。
【関連記事】

理論株価というのは一般に、期待利子率・期待成長率・予想PER(株価収益率)・予想PBR(純資産倍率)などを組み合わせて計算されます。

こうして計算される株価は、理論株価というよりも、「期待株価」や「予想株価」と呼ぶべきものです。
数週間後・数か月後・数年後に期待される(予想される)株価なのですから。

期待利子率・期待成長率・予想PER・予想PBRはいずれも、計算する人の主観や思惑に左右され、100人いれば100通りの株価が算出されます。
これでは、算出された数値への信頼性が低い。

最低・最悪なのは、株価算定の計算構造を、ブラックボックスとしている輩(やから)が多いことです。
ニッポン男児の風上にも置けぬ。

理論株価というのは第一に、数週間後・数か月後・数年後に期待される(予想される)株価ではなく、「今日の実際株価」に対する「今日のあるべき株価」である、と私は解釈しています。

第二に、理論株価というからには、誰が計算しても「同じ株価」が算出されること、すなわち客観的なものであるべきだ、と私は解釈しています。


ということで、次の【資料1】に示す方程式を提示します。
「タカダ式企業価値方程式」と呼び、導出方法は下記【資料6】から【資料8】までに示す書籍で詳述しています。
【資料1】タカダ式企業価値方程式
\[\displaystyle W(v)=\frac{1}{s}\cdot\ln Kv +\frac{1}{t} \cdot\ln K(1-v) \]

上記【資料1】にある各記号の定義は、次の【資料2】の通りです。
【資料2】
W(v)
v
s
t
K
ln
理論株価(企業価値)
最適デット比率
他人資本コスト率
自己資本コスト率
使用総資本
自然対数
 

最適デット比率とは、使用総資本に占める「最適な他人資本の割合」です。

他人資本コスト率は、銀行借入金の利子率とみなして差し支えありません。
ただし、税効果考慮後のものである必要があります。(←ここ重要)

自己資本コスト率は、配当率とみなして差し支えありません。

なお、自己資本コスト率を、自己資本利益率ROEとみなすことも可能です。
その場合、自己資本利益率ROEは、自己資本コスト率のハードルレートになります。


上記【資料1】のタカダ式企業価値方程式は、ノーベル経済学賞を受賞したMM理論が「正しい」ことを前提としています。
また、経済学で有名な収穫逓減という概念が「正しい」ことも前提としています。

もし、MM理論に誤りがあったり、収穫逓減は存在しない、というのであれば、【資料1】の方程式は成立しません。


次の【資料3】の値を仮定します
【資料3】
v
s
t
K
最適デット比率
他人資本コスト率
自己資本コスト率
使用総資本
75%(0.75)
3%(0.03)
10%(0.1)
11,000億円
(100,000,000,000)

上記【資料3】の値を、【資料1】の式に代入します。
具体的には、表計算ソフトExcelのLN関数を用い、次の【資料4】の通りに入力します。
【資料4】
\[\displaystyle \large =(1/0.03)*\rm{LN}(100000000000*0.75) \\
\large \quad +(1/0.1) * \rm{LN}(100000000000*(1-0.75)) \\
\large =1,074円 \]

上記【資料4】より、使用総資本1,000億円で、他人資本が750億円(他人資本コスト率3%)、自己資本250億円(自己資本コスト率10%)の企業の理論株価は、1,074円になります。


次に、他の条件を変えず、配当率(自己資本コスト率)を、10%から20%に引き上げて、株主の恩に報いることにします。

この場合の理論株価は、次の【資料5】になります。
【資料5】
\[\displaystyle \large =(1/0.03)*\rm{LN}(100000000000*0.75) \\
\large \quad +(1/0.2) * \rm{LN}(100000000000*(1-0.75)) \\
\large =954円 \]

配当率10%のときの理論株価は、【資料4】の通り、1,074円でした。

配当率を20%に引き上げたときの理論株価は、【資料5】の通り、954円に下落します。


配当率を引き上げることは、投資家の人気が高まり、株価が上昇するはず。
ところが、理論株価は下がります。
なぜか。

配当金は社外流出であり、企業の内部留保を減らし、企業の成長力を弱めるからです。
それが理論株価を引き下げます。

以上が、タカダ式企業価値方程式を用いた理論株価の計算方法です。
誰が計算しても、1,074円や954円の値を導き出すことができます。


上記【資料1】のタカダ式企業価値方程式は、次の【資料6】に示す書籍315ページが初出です。

【資料6】
高田直芳の実践会計講座
戦略ファイナンス

日本実業出版社
2008-11-01
高田直芳
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上記『戦略ファイナンス』を2008年11月に出版後、次の【資料7】202ページと【資料8】366ページでも、タカダ式企業価値方程式をフォローしています。

【資料7】
会計&ファイナンスのための数学入門
日本実業出版社
2009-07-01
高田 直芳
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【資料8】
高田直芳の実践会計講座
「経営分析」入門

日本実業出版社
高田 直芳
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他人資本コスト率の税効果は、上記の書籍で説明しています。


上記【資料4】や【資料5】で計算した理論株価は、残念ながら「机上の空論」であることを否めません。
なぜなら、現実の株価(実際株価)とリンクしないからです。

実際株価とリンクさせて実務で役立つものとするには、次の【資料9】の受賞論文で論述している最大操業度売上高に、【資料1】のタカダ式企業価値方程式をリンクさせる必要があります。
【資料9】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

上記【資料1】の方程式や【資料9】の論文は、私(高田直芳)のオリジナルであり、日本だけでなく、欧米の書籍や学術論文にも存在しないことから、方程式の手直し作業は私一人が負うべきものです。

ぼちぼちと取り組んでいくことにしましょう。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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