会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
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『会計学と原価計算の革新を目指して』
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『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
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zoom RSS 公認会計士高田直芳:企業価値と理論株価の求めかた

<<   作成日時 : 2015/11/16 01:00   >>

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今回は、関連記事『一般公式や実務解を示さずに「企業価値」を得意気に語る人々がいる』の応用編であり、上場企業の理論株価(理論上の株価)の求めかたの話です。

関連記事は次の通り。
【関連記事】

理論株価というのは一般に、期待利子率・期待成長率・予想PER(株価収益率)・予想PBR(純資産倍率)などを組み合わせて計算されます。

こうして計算される株価は、理論株価というよりも、「期待株価」や「予想株価」と呼ぶべきものです。
数週間後・数か月後・数年後に期待される(予想される)株価なのですから。

期待利子率・期待成長率・予想PER・予想PBRはいずれも、計算する人の主観や思惑に左右され、100人いれば100通りの株価が算出されます。
これでは、算出された数値への信頼性が低い。

最低・最悪なのは、株価算定の計算構造を、ブラックボックスとしている輩(やから)が多いことです。
ニッポン男児の風上にも置けぬ。

理論株価というのは第一に、数週間後・数か月後・数年後に期待される(予想される)株価ではなく、「今日の実際株価」に対する「今日のあるべき株価」である、と私は解釈しています。

第二に、理論株価というからには、誰が計算しても「同じ株価」が算出されること、すなわち客観的なものであるべきだ、と私は解釈しています。


ということで、次の【資料1】に示す方程式を提示します。
「タカダ式企業価値方程式」と呼び、導出方法は下記【資料6】から【資料8】までに示す書籍で詳述しています。
【資料1】タカダ式企業価値方程式
\[\displaystyle W(v)=\frac{1}{s}\cdot\ln Kv +\frac{1}{t} \cdot\ln K(1-v) \]

上記【資料1】にある各記号の定義は、次の【資料2】の通りです。
【資料2】
W(v)
v
s
t
K
ln
理論株価(企業価値)
最適デット比率
他人資本コスト率
自己資本コスト率
使用総資本
自然対数
 

最適デット比率とは、使用総資本に占める「最適な他人資本の割合」です。

他人資本コスト率は、銀行借入金の利子率とみなして差し支えありません。
ただし、税効果考慮後のものである必要があります。(←ここ重要)

自己資本コスト率は、配当率とみなして差し支えありません。

なお、自己資本コスト率を、自己資本利益率ROEとみなすことも可能です。
その場合、自己資本利益率ROEは、自己資本コスト率のハードルレートになります。


上記【資料1】のタカダ式企業価値方程式は、ノーベル経済学賞を受賞したMM理論が「正しい」ことを前提としています。
また、経済学で有名な収穫逓減という概念が「正しい」ことも前提としています。

もし、MM理論に誤りがあったり、収穫逓減は存在しない、というのであれば、【資料1】の方程式は成立しません。


次の【資料3】の値を仮定します
【資料3】
v
s
t
K
最適デット比率
他人資本コスト率
自己資本コスト率
使用総資本
75%(0.75)
3%(0.03)
10%(0.1)
11,000億円
(100,000,000,000)

上記【資料3】の値を、【資料1】の式に代入します。
具体的には、表計算ソフトExcelのLN関数を用い、次の【資料4】の通りに入力します。
【資料4】
\[\displaystyle \large =(1/0.03)*\rm{LN}(100000000000*0.75) \\
\large \quad +(1/0.1) * \rm{LN}(100000000000*(1-0.75)) \\
\large =1,074円 \]

上記【資料4】より、使用総資本1,000億円で、他人資本が750億円(他人資本コスト率3%)、自己資本250億円(自己資本コスト率10%)の企業の理論株価は、1,074円になります。


次に、他の条件を変えず、配当率(自己資本コスト率)を、10%から20%に引き上げて、株主の恩に報いることにします。

この場合の理論株価は、次の【資料5】になります。
【資料5】
\[\displaystyle \large =(1/0.03)*\rm{LN}(100000000000*0.75) \\
\large \quad +(1/0.2) * \rm{LN}(100000000000*(1-0.75)) \\
\large =954円 \]

配当率10%のときの理論株価は、【資料4】の通り、1,074円でした。

配当率を20%に引き上げたときの理論株価は、【資料5】の通り、954円に下落します。


配当率を引き上げることは、投資家の人気が高まり、株価が上昇するはず。
ところが、理論株価は下がります。
なぜか。

配当金は社外流出であり、企業の内部留保を減らし、企業の成長力を弱めるからです。
それが理論株価を引き下げます。

以上が、タカダ式企業価値方程式を用いた理論株価の計算方法です。
誰が計算しても、1,074円や954円の値を導き出すことができます。


上記【資料1】のタカダ式企業価値方程式は、次の【資料6】に示す書籍315ページが初出です。

【資料6】
高田直芳の実践会計講座
戦略ファイナンス

日本実業出版社
2008-11-01
高田直芳
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上記『戦略ファイナンス』を2008年11月に出版後、次の【資料7】202ページと【資料8】366ページでも、タカダ式企業価値方程式をフォローしています。

【資料7】
会計&ファイナンスのための数学入門
日本実業出版社
2009-07-01
高田 直芳
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【資料8】
高田直芳の実践会計講座
「経営分析」入門

日本実業出版社
高田 直芳
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他人資本コスト率の税効果は、上記の書籍で説明しています。


上記【資料4】や【資料5】で計算した理論株価は、残念ながら「机上の空論」であることを否めません。
なぜなら、現実の株価(実際株価)とリンクしないからです。

実際株価とリンクさせて実務で役立つものとするには、次の【資料9】の受賞論文で論述している最大操業度売上高に、【資料1】のタカダ式企業価値方程式をリンクさせる必要があります。
【資料9】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

上記【資料1】の方程式や【資料9】の論文は、私(高田直芳)のオリジナルであり、日本だけでなく、欧米の書籍や学術論文にも存在しないことから、方程式の手直し作業は私一人が負うべきものです。

ぼちぼちと取り組んでいくことにしましょう。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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