会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
関東信越税理士界『論陣』掲載論文(PDF 3枚)
『有償支給取引と循環取引に内在する
 税務リスクについて』
執筆者 高田 直芳

zoom RSS 公認会計士高田直芳:直接原価計算・活動基準原価計算・原価企画は、なぜ、破綻するのか

<<   作成日時 : 2015/09/16 01:00   >>

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直接原価計算・活動基準原価計算
原価企画は、なぜ、破綻するのか

高田直芳の実践会計講座
原価計算 補足説明



次の関連記事では、上場企業3千社や中堅中小企業100万社で採用されている予定原価計算や標準原価計算には「理論上の瑕疵」があり、実務面で破綻していることを論証しました。
【資料1:関連記事】

どこに「理論上の瑕疵」があるのかは、現場を観察すれば、すぐにわかること。

すなわち、企業実務の最前線で従業員とともに汗を流していると、次の【資料2】の事実を観察することができます。
【資料2】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。

    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。

    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。

    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限に繰り返すその様は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限連鎖の複利計算を行なっていることと同じです。
  • マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限連鎖の複利計算を行なっていくことと同じです。

以上のように、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造の本質は、複利計算構造にあることがわかります。


それに対して、予定原価計算や標準原価計算は、1次関数で構築されています。

1次関数とは単利計算構造のことであり、次の瑕疵(かし)を指摘できます。
【資料3】
  • 複利運用された預金利息を、単利計算の式で検証できるわけがない。
  • 複利計算構造を内蔵するコスト構造を、単利計算構造の予定原価計算や標準原価計算で取り組めば、破綻するのは明らか。
  • 単利と複利の違いは子どもでも理解できるのに、上場企業3千社や中堅中小企業100万社にいるオトナたちは誰一人として理解できていない。

なぜ、オトナたちは、理解できないのでしょうか。

理由の第1は、企業実務を知らない学者が、額に汗することなく、「机上の空論」を振りかざしているからです。

理由の第2は、上場企業やコンサルティングファームなどが、学者の権威にひれ伏し、学者の提灯持ちに成り下がっているからです。

だから、企業のコスト構造が複利計算構造を内蔵しているという事実に、誰も気づかないのです。
そうしたことを、上記の【資料1:関連記事】で述べました。


以上の主張は、独りよがりの話ではなく、次の【資料4】に示す、新日本法規財団 奨励賞 受賞論文でも証明しました。
【資料4】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

上記の受賞論文では、企業のコスト構造を、複利計算構造で解き明かすことを述べています。
日本だけでなく、欧米にもない、オリジナルの理論です。


予定原価計算や標準原価計算に取り組んでいる企業からは、次のような反論があるでしょう。

すなわち、予定原価計算や標準原価計算は、企業会計審議会『原価計算基準』で定められているものであり、おカミの意向に従った原価計算制度を採用して「どこが悪いのだ」と。

その『原価計算基準』は、いつ、定められたものか、知っていますか?
答えは、1962年(昭和37年)です。

1962年(昭和37年)に制定されて以来、今日に至るまで、何度の改正があったか、知っていますか?
答えは、一言一句、改正されたことがありません。


東海道新幹線が開通したのは、『原価計算基準』が制定された2年後の1964年です。
東京オリンピックの開催も、『原価計算基準』が制定された2年後の1964年です。

アニメ『鉄腕アトム』のテレビ放映が開始されたのは、『原価計算基準』が制定された翌年の1963年です。
企業会計審議会『原価計算基準』が制定されたのは、鉄腕アトムよりも前なのです。

しかも、この期間、一言一句、改正されたことがない。

それにもかかわらず、現在でも、予定原価計算や標準原価計算は正しいのだと、上場企業3千社や中堅中小企業100万社は思い込んでいるのです。


1962年(昭和37年)当時、企業会計審議会でも、さすがに予定原価計算や標準原価計算では「問題がある」という認識があったのでしょう。

その証拠に、『原価計算基準』の後半では、直接原価計算に言及しています。

ところが、直接原価計算にも「理論上の瑕疵」があり、これを実務で利用しようとするならば、確実に破綻します。


理由の1つめは、直接原価計算は、CVP分析に立脚しているからです。
CVP分析は別名、損益分岐点分析・限界利益分析・線形回帰分析とも呼ばれます。
【資料5関連記事】

このCVP分析は、企業のコスト構造を、1次関数の直線形で描写するものです。
1次関数とは、単利計算構造のこと。

上記【資料2】の事実とは相反することから、CVP分析は確実に破綻します。

CVP分析に立脚する直接原価計算にも当然、「理論上の瑕疵」があることになり、直接原価計算も実務面で確実に破綻します。


理由の2つめは、直接原価計算やCVP分析の「理論の硬直性」にあります。

CVP分析が確立されたのは、いつだか知っていますか。
答えは、1920年(大正9年)です。

現在に至るまでの1世紀! 何の革新性もなく、企業実務を知らない学者たちが語り継ぎ、学者の提灯持ちに成り下がった上場企業やコンサルティングファームなどが利用してきた歴史を、そこに見ることができます。
【資料6関連記事】

いえ、直接原価計算にも、若干の進展はあったようです。
次の【資料7】で示すような「固定費の分類」が語られてきたのですから。
【資料7】

  1. 個別固定費、共通固定費

  2. 管理可能固定費、管理不能固定費

  3. 既決固定費、未決固定費

  4. キャパシティ・コスト、コミテッド・コスト


ただし、【資料7】にはすべて「理論上の瑕疵」があります。
上記【資料7】はすべて、単利計算構造を基礎としているからです。


企業内部で、CVP分析や直接原価計算を利用している場合、次の【資料8】にある方法によって固定費と変動費とを分解するケースが多いことから、上記【資料7】に示した「固定費の分類」にも有用性がある、と主張する人もいるでしょう。
【資料8】固定費と変動費とに分解する方法(固変分解)

  1. 勘定科目法

  2. 費目別精査法(科目別按分法・科目別比率法)

  3. 最小自乗法(最小2乗法)


残念ながら、上記【資料8】のいずれの方法で固定費と変動費とに分解したところで、そこには「理論上の瑕疵」があります。
なぜなら、上記【資料8】の方法はすべて、1次関数 → 単利計算構造に帰着するからです。

それは上記【資料4】の受賞論文18ページで、マツモトキヨシホールディングスの有価証券報告書データを用いて論証しました。


本ブログでは、次の【資料9】に示す原価計算制度のうち、1. から 3. までについて論証してきました。
【資料9】

  1. 予定原価計算

  2. 標準原価計算

  3. 直接原価計算

  4. 活動基準原価計算(ABC・ABM)

  5. 原価企画


上記【資料9】の「 4.活動基準原価計算」と「 5.原価企画」も、単利計算構造に基づいていますから、そこには「理論上の瑕疵」があり、実務面で破綻しているのは明らかです。

それにしても──、
「キャパシティ・コスト」「コミテッド・コスト」「ABC・ABM」という表記を見ていると、日本の文系学問にオリジナリティは存在せず、欧米の提灯持ちであることが、よくわかります。

こうした状況を、次の関連記事に倣うと、「阿倍野の犬実験」ということになります。
【資料10:関連記事】

ニッポンの企業が運用している原価計算や原価管理は、「二番煎じ三番煎じの提灯持ち構造」ということか。

十万馬力の鉄腕をもってしても、こいつは救われない。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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