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zoom RSS 公認会計士高田直芳:利益の先食いを誘引させる部品材料の有償支給

<<   作成日時 : 2015/06/23 02:00   >>

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「利益の先食い」を誘引させる
部品材料の有償支給

高田直芳の実践会計講座
原価計算 補足説明



本ブログ記事は、次のブログ記事に続くものです。
【資料1:関連記事】

上記の関連記事で掲載した、2015年6月23日付の日本経済新聞の記事を、以下に再掲します。
【資料2】日本経済新聞2015年6月23日

パソコンでは、取引先に部品材料を売った際に会計上の一時的な利益が出たが、これを後で調整せず、結果的に利益を先食いする形になった。


上記の記事だけで推断するのは難しいのですが、これはおそらく、有償支給や循環取引の問題が絡んでいる可能性があります。

有償支給・無償支給の会計処理については、次の拙著で、具体的な仕訳のほか、法人税や消費税の問題を含めた解説を行ないました。
高田直芳の実践会計講座 原価計算
日本実業出版社
2010-05-01
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有償支給については、材料交付差益勘定を用いた会計処理を勧める書籍や、経営コンサルタントが多いようです。

それに対し、拙著『高田直芳の実践会計講座 原価計算』では、材料交付差益勘定を用いない会計処理を紹介しています。

なお、循環取引については、次の関連記事で説明しています。
【資料3:関連記事】

以下は、有償支給の説明です。


材料交付差益勘定を用いないメリットとして、拙著『高田直芳の実践会計講座 原価計算』では、4点を紹介しています。

そのうちの1点を、以下に紹介します。
【資料4】高田直芳の実践会計講座 原価計算』203ページ

材料交付差益を考慮した場合、元請け側では期末決算の段階で、材料交付差益をすべて消去する必要があります。

なぜなら、元請け側にとって材料交付差益は「行って来い」の内部利益だからです。

これは、元請け側の会計処理を複雑怪奇なものとします。


材料交付差益は複雑怪奇な会計処理なので、期末の決算整理で「消去し忘れました」と言い訳した場合、不正ではなく、誤謬で片付けられるかもしれません。

「ホトケの顔も三度」といいますから、1年間の取引の中で、3件以内なら誤謬として許されるかも。
でも、4件以上は、明らかな「利益の先食い」であって、不正の誹(そし)りを免れません、と申し渡しておきます。

不正か誤謬かにかかわらず、材料交付差益の消去漏れを発見した税務当局は、「しめしめ」と、ほくそ笑むことでしょう。
なにしろ、納税額が増えるのですから。


拙著『高田直芳の実践会計講座 原価計算』では、材料交付差益勘定を用いない方法で、次の2通り紹介しています。
【資料5】
  1. 有償支給の場合で、元請け側では在庫管理せず
  2. 有償支給の場合で、元請け側では在庫管理を行なう

上記【資料5】1.では、仮受消費税が発生します。
上記【資料5】2.では、仮受消費税が発生せず、仮払金勘定を用います。

上記【資料5】2.で注意したいのは、自己管理しないで仮払金勘定を用いるのは不可だという点です。

「おいしいところ」だけを盗み食いしようとしても、それは駄目です。
消費税に関する関連法令は、拙著『高田直芳の実践会計講座 原価計算』203ページの〔図表7-3〕に掲載してあるとおりです。


下請けから受け入れた材料部品を、どのような会計処理で対応するかについて、拙著『高田直芳の実践会計講座 原価計算』205ページでは、「部品原価処理法」と「直接経理処理法」とを紹介しています。

下請けから受け入れた部品材料の場合で、検収を省略するときは、直接経理処理によります。
検収を行なうのであれば、部品原価処理になります。

有償支給も無償支給も、その会計処理は難解です。

実務で最も厄介なのは、中途半端な会計知識しか持たない人が「有償支給とは〜」と専門家ぶった口調で話し、そのまわりで「さすがですね」と、おだてる人がいることです。

おだてりゃ木に登る、とは、よくいったもの。

かくして、一度失われた信頼を回復するために、その代償は何倍にも何十倍にも膨れ上がることを、東芝問題は証明してくれています。

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〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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