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zoom RSS 公認会計士高田直芳:平成28年分の源泉徴収票を斜めから読む方法

<<   作成日時 : 2016/12/29 01:00   >>

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平成28年分の
源泉徴収票を斜めから読む方法



年末年始、企業に勤める給与所得の人たち全員が、源泉徴収票を受け取ったはず。
それを受け取って、「あれ? 去年と様式が違うな」と戸惑った人が多いと推測しています。

はい、旧様式の源泉徴収票はA6サイズでしたが、新様式はA5サイズへと2倍になりました。
その新様式を、大局的な見方をもって、邪道ともいえるノウハウで、説明することにしましょう。

新様式は、国税庁の「平成28年分給与所得の源泉徴収票の記載のしかた」で確認することができます。
その様式を示すと、次の【資料1】の通り。
【資料1】
画像

上記【資料1】の著作権については、著作権法13条2号を確認してください。


上記【資料1】を、このまま眺めていたのでは何がどうなっているのか、さっぱりわかりません。

次の【資料2】で、すべての企業で作成されている損益計算書の様式を掲げます。
【資料2】損益計算書の様式
   売上高
   売上原価 ★
     売上総利益
   販売費及び一般管理費
     営業利益 ★
   営業外損益 ★
     経常利益 ★
   特別損益 ★
     税引前当期純利益 ★
   法人税等 ★
   法人税等調整額 ★
     (税引き後の)当期純利益

上記【資料2】に、戸惑う人はいないはず。
この損益計算書の様式を、【資料1】の源泉徴収票に当てはめてみましょう。


【資料1】の「種別 給与・賞与」の行に注目します。
【資料3】
  1. 「支払金額」は、損益計算書の「売上高」に相当します。

  2. 「給与所得控除後の金額」は、損益計算書の「売上総利益」に相当します。

  3. 「所得控除の額の合計額」は、損益計算書の「販売費及び一般管理費」に相当します。

  4. 「源泉徴収税額」は、損益計算書の「(税引き後の)当期純利益」に相当します。

【資料1】の「種別 給与・賞与」の行の見方に戸惑ってしまう原因は、【資料2】において黄色のマーカー部分で表わした項目が【資料1】の源泉徴収票で表わされているのに対し、【資料2】において★印で表わした項目が【資料1】の源泉徴収票では省略されているためです。


次に、【資料1】の「社会保険料等の金額」がある行に注目します。
【資料4】
  1. 「社会保険料等の金額」「生命保険料の控除額」「地震保険料の控除額」の3点セットは、損益計算書の「営業外損益」や「特別損益」に相当します。

  2. 「住宅借入金等特別控除の額」は、損益計算書の「法人税等調整額」に相当します。

【資料4】の 1. の3点セットと、【資料4】の 2. とは、まったく異なるコストである点に注意しましょう。

【資料2】の損益計算書において、緑色のマーカーで示した「税引前当期純利益」と「法人税等」が、【資料1】の源泉徴収票では示されていません。
これが源泉徴収票をわかりにくくしているといえます。


ちなみに、源泉徴収票ではなく、源泉徴収簿のほうでは、損益計算書の「税引前当期純利益」と「法人税等」に相当するものが、「差引課税給与所得金額」と「算出所得税額」として示されています。

興味のある人は、源泉徴収票だけでなく、源泉徴収簿を見てみるといいでしょう。


【資料1】では、損益計算書の「売上原価」に相当するものが示されていません。

【資料1】の「支払金額6,847,500円」と「給与所得控除後の金額4,962,750円」の関係を、次の【資料5】の式で示します。
【資料5】
    (支払金額6,847,500円)×90%−1,200,000円
      =(給与所得控除後の金額4,962,750円)

【資料5】にある「90%」は、粗利益率(売上総利益を売上高で割った比率)に相当します。

したがって、差し引き10%が、給与所得者の売上原価率(売上原価を売上高で割った比率)になります。
あなたがた労働サービスの原価は「10%にすぎないよ」というのが、政府の方針です。

【資料5】にある「1,200,000円」は、売上値引きに相当します。

平成28年分の源泉徴収票は、ざっと以上のような構成になるのでした。


こういうブログも、まとめサイト(キュレーション)でパクられるのかな。
卑怯千万この上ないし、専門的すぎるのでそれはないか。

というか、今回の説明では、意図的に誤った箇所があります。
源泉徴収税額のところとかね。
パクリ防止のためには、そういうイタズラも必要です。

グレシャムの法則に倣うならば、まとめサイトは、他の良質な情報を駆逐する。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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