会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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『会計学と原価計算の革新を目指して』
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zoom RSS 公認会計士高田直芳:自社の供給曲線が水平になっていることを理解できない上場企業

<<   作成日時 : 2017/06/07 01:00   >>

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自社の供給曲線が
水平になっていることを
理解できない上場企業



次の関連記事では、会計学者や公認会計士などの会計専門家が扱う供給曲線は、横軸に水平に描かれることを説明しました。
【資料1:関連記事】

私のその説明に納得できない人たちが、上場企業を中心にかなりの数にのぼるようです。

IFRSや会計基準などで難解な英文や和文に慣れ親しんではいても、簡単な代数学や幾何学を頭の中で描くことすら苦手らしい。

「数学嫌い」の人たちのために、以下で簡単にフォローしておきます。

供給曲線の本質は限界費用曲線であり、限界費用曲線は総費用曲線の「接線の傾き」を繋ぎ合わせたものです。

これは次の『マンキュー・ミクロ経済学』で説明されていることなので、異論を差し挟む余地はありません。
マンキュー経済学T
ミクロ編〔第3版〕

N.グレゴリー マンキュー
〔東洋経済新報社〕
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管理会計などの会計専門書では、次のCVP図表または損益分岐点図表と呼ばれるものが必ず掲載されます。
【資料2】CVP図表(損益分岐点図表)
画像

上記【資料2】にある売上高線ODを消去したものが、次の【資料3】になります。
【資料3】公式法変動予算の図
画像

上記【資料3】を「公式法変動予算の図」といい、この図をもとに、上場企業では次の原価計算制度が採用され運用されています。
【資料4】
  • 全部原価計算、予定原価計算、標準原価計算
  • 部分原価計算、直接原価計算、スループット会計
  • 活動基準原価計算、バックフラッシュ原価計算

注目すべきは、【資料2】にある線分ACと、【資料3】にある線分BCです。
これらはどちらも、総費用直線を表わします。

これら総費用直線上の「接線の傾き」が、供給曲線を表わすことになります。


曲線上の「接線の傾き」は、微分によって求めることができます。

総費用直線は  ですから、これを微分すると、 になります。
これは縦軸上の  を起点とし、ここから横軸に平行な直線(水平線)を描くことになります。

つまり、【資料2】や【資料3】から導かれる供給曲線は、水平線として描かれる、ということです。


ちなみに、経済学者の多くは、総費用曲線を2次関数  で描きます。
これを微分すると、  となり、右上がりで直線形の供給曲線が描かれます。

一部の経済学者は、総費用曲線を3次関数  で描きます。
これを微分すると、  となり、右上がりで反り返るような供給曲線が描かれます。


さて、日本の上場企業では何が行なわれているか。

あなたがたは、【資料2】や【資料3】を用いて、【資料4】の原価計算制度を採用し運用しています。
したがって、あなたがたは、横軸に平行な供給曲線(水平線)で商売をしていることになります。

供給曲線が水平状態にあるというのは、供給の価格弾力性が無限大にあることです。
これは、次の状況にあることを意味します。
【資料5】

  • 原材料を発注すれば、地球上のあらゆるところから、最低価格で購入することができ、即座に届く。

  • 必要な労働者を即座に最低賃金で雇うことができ、不要になれば即座に解雇することができる。

上場という看板をぶら下げて、あなたがたは何をやっているんだか。
難解な会計基準の読解や原価計算制度の運用には優れていても、簡単な代数学や幾何学の知識さえないらしい。

いや、待てよ。
昨今の残業問題や過労問題は、原価計算制度 → 供給曲線が水平になる、という理論的な帰結なのかも、と思えるのでありました。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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