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zoom RSS 公認会計士高田直芳:読者からの質問タカダ式バリュー度と供給の価格弾力性の求めかた

<<   作成日時 : 2018/02/12 02:00   >>

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読者からの質問
タカダ式バリュー度と
供給の価格弾力性の求めかた



このブログ経由にしろ、出版社経由にしろ、直接のお問い合わせに対して、私(高田直芳)から直接回答することは、まずありません。

私から直接メールを送信すると、それを奇貨として「著作権の二次使用の許諾を得た」と暴走する者が、過去にいたからです。
弁護士法人に一任したので、私が煩(わずら)う事件ではなかったのですが。

とはいえ、何も音沙汰なし、というわけにもいかないので、「この質問内容は、優れているなぁ」と感心したものを、このブログで紹介することにします。

すでに公表されている書籍の補足説明ということで、ご了承ください。
また、著作権の二次使用を許諾したものではないので念のため。

過日、次の拙著224ページにある〔図表6-22〕のタカダ式バリュー度に関して、秀でた質問を頂戴しました。
高田直芳の実践会計講座
「経営分析」入門

高田 直芳〔日本実業出版社〕
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高田直芳の実践会計講座「経営分析」入門 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

質問内容を要約すると、次の通り。
【資料1】

『経営分析入門』224ページに記載されている「タカダ式バリュー度」または「供給の価格弾力性」の算出について。

  1. 指数関数で近似した総コスト関数の2階微分が供給の価格弾力性だとしているが、何の変数で微分しているのか。

  2. 指数関数は、無限階数で微分可能だが、どこの微分値を求めているのか。

  3. イオンのデータを使って、2階微分して、特定の期の売上高を代入しても、〔図表6-21〕のような値にはならないが。

  4. そもそも、売上数量で微分するのであれば、コスト関数と売上高と利益だけから、求められないのではないか。

上掲書『経営分析入門』を上梓してから、かなりの歳月が経過し、当時、何を書いていたのか、さっぱり忘れてしまいました。

思い出せるものを、以下で記述することにします。


上記【資料1】1. について。
用いる変数は、売上高のみです。

伝統的な管理会計論で採用される損益分岐点分析(CVP分析)や、原価計算論で採用される公式法変動予算では、時間や数量などを、変数として採用しています。

活動基準原価計算(ABC/ABM)ともなると、移動距離やコピー枚数も、採用するらしい。
ご苦労なことだ。

それに対し、タカダ式操業度分析が採用する変数は、売上高のみです。


上記【資料1】2. について。
微分は1階、多くて2階どまりです。
(微分は、1回・2回ではなく、1階・2階と表記します)

指数関数は確かに、無限階の微分を行なうことができます。
純粋な数学の世界であれば、無限階数は議論の対象になるのでしょうが、企業実務では1階または2階です。

何の書籍に書かれてあったのか、うろ覚えで恐縮なのですが、物理学者の砂川重信先生または戸田盛和先生の著作に「物理学は数学と異なり、微分は2階までで事足りる」という趣旨の記述があったと記憶しています。

ニュートンの運動方程式( \(\displaystyle m \frac{d^2x}{dt^2} = F \) )を、3階も4階も微分しても意味がない、ということです。
ここらあたりは、物理学の素養の有無が試されるといえるでしょう。

私(高田直芳)が創設した会計物理学も同じであり、男は「1度」勝負します。
(といいつつ、実際には、3度も4度も勝負しますが)


上記【資料1】3. について。
次の手順を踏みます。

まず、イオンの決算データから、タカダ式費用関数( \(\displaystyle y=b \cdot e^{tx} \) )を導出します。
導出方法については、『経営分析入門』155ページなどを参照。

導出されたタカダ式費用関数は、経済学でいう「総費用関数」です。

経済学によれば、総費用関数の「接線の傾き」が、限界費用曲線になります。
さらに、この限界費用曲線が、供給曲線になる、といのが、経済学の教えるところです。

限界費用曲線、供給曲線、供給の価格弾力性の関連については、次の関連記事を参照。
【資料2:関連記事】

イオンのデータでタカダ式費用関数(総費用関数)を求めた後、これを基礎として、限界費用曲線(供給曲線)を求めます。

そして、原点Oから狙いを定めて、「供給の価格弾力性」を求めれば、『経営分析入門』224ページの〔図表6-21〕を描くことができます。

自然科学系の論文でときどき騒がれるような、意図的な操作は、拙著の図表にはありません。
高田会計事務所のサーバーに、原本となるプログラムを保管しています。
(ただし、プログラムを公開することはありません)


上記【資料1】4. について。
販売数量や生産数量で微分できるのは、単一種類のものを大量生産している企業だけです。

現在の企業は、多品種少量どころか、多品種「微量」生産です。
しかも、直接作業よりも、売上高に直接貢献しない間接部門の比重が高い。
工場の自動化や、人工知能AIの進化が、拍車をかけています。

個々の製品ごとに販売数量や稼働時間を調べ、それぞれの総費用曲線や限界費用曲線(供給曲線)を描くことは、たとえ人工知能AIをもってしても不可能です。

そういう苦労はやめて、売上数量ではなく売上高一本勝負で行こう! というのが、タカダ式操業度分析です。

その応用として、セグメント別に売上高関数( \(\displaystyle y=x \) )とタカダ式費用関数( \(\displaystyle y=b \cdot e^{tx} \) )を求め、そこからセグメント別の営業利益などを求めて、セグメント別の業績評価をしましょう、ということを、次の関連記事で説明しました。
【資料3:関連記事】

以上の経過をたどる途中で、『経営分析入門』224ページ〔図表6-22〕にあるタカダ式バリュー度を描いてみてください。
ただし、個人的な趣味の範囲内で。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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