会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
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zoom RSS 公認会計士高田直芳:ニュートン法や準ニュートン法は会計物理学で役に立つ

<<   作成日時 : 2018/03/31 01:00   >>

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ニュートン法や、準ニュートン法は
会計物理学で役に立つ



次の受賞論文11ページでは「表計算ソフトExcelのソルバー機能」として、準ニュートン法というものを取り上げました。
【資料1】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

準ニュートン法というからには、ニュートン法もあります。
どう異なるのかと問われても、私は数学の専門家ではないので返答に困る。

大雑把にいえば、どちらも、方程式の近似解を求める方法であること。
共通するのは、物理学の祖、アイザック・ニュートンに因んでいるということ。

以下では、両者を合わせて「準*ニュートン法」と表記します。

高校の受験参考書では、「準*ニュートン法」にまで踏み込んで説明しているものもあります。

ただし、企業実務で具体的にどう利用するのかまでを知っておかないと、参考書を閉じた瞬間に、きれいさっぱり忘れてしまう。

ということで、高校を卒業してからも忘れないようにするために、以下では、「準*ニュートン法」が、企業実務でどのように役立つかを説明することにします。


まず、会計学や会計システムなどの世界に、「準*ニュートン法」を初めて持ち込んだのは、私(高田直芳)であることを申し添えます。

ホントに?

ホントです。
これは簡単に証明することができます。

なぜなら、私以外の、会計系の専門家やシステムエンジニアたちは、大正9年(1920年)以降、何とかの一つ覚えみたいに、CVP分析(損益分岐点分析)しか用いてこなかったから。
【資料2:関連記事】

CVP分析から導かれる解の1つ「損益分岐点売上高」は、次の【資料3】で示すように、単純な代数的手法で解けてしまうから。
【資料3】\[\displaystyle \large 損益分岐点売上高 = \frac{(固定費)}{1−(変動費率)} \]

上記【資料3】を解くにあたり、「準*ニュートン法」が出る幕はありません。
──以上、証明終わり。

なお、上記【資料3】の導出方法については、次の拙著224ページ以降を参照。

では、会計学や会計システムで「準*ニュートン法」を使う必要があるとすれば、それはどのようなケースか。

上記【資料1】の受賞論文5ページにある〔図表6〕を、次の【資料4】に再掲して、「準*ニュートン法」の実際の用いかたを説明します。
【資料4】タカダ式操業度分析図表
画像

上記【資料4】の図表って、どうやって描くの? という問いについては、【資料1】の受賞論文4ページまでを参照。

私以外の人たちが語る会計学が、単利計算構造のCVP分析(損益分岐点分析)に基づいているのに対し、【資料4】のタカダ式操業度分析は複利計算構造に基づく、という違いがあります。


上記【資料4】に、損益操業度点Bと、収益上限点Eとがあります。
これらは、売上高線 \(\displaystyle \large y=x \) と、総費用曲線 \(\displaystyle \large y=b \cdot e^{tx} \) の交点です。

その座標は、2本の方程式を連立させて解きます。
【資料5】\[\displaystyle \large \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} y=x \\ y=b \cdot e^{tx} \end{array} \right. \end{eqnarray} \]

上記【資料5】を、次のように整理します。
【資料6】

\(\displaystyle \large x = b \cdot e^{tx} \tag{1} \)

  ↓

\(\displaystyle \large x - b \cdot e^{tx} =0 \tag{2} \)


ここまでは簡単。
あとは、上記【資料6】(2) 式を、「 \(\displaystyle \large x= \) 」の形で解くことができれば、それでいい。


ところが、上記【資料6】(2) 式は、どこをどう捻ってみても、\(\displaystyle \large (x- \alpha )(x-\beta)=0 \) という形で因数分解することができないのです。

そこで用いるのが、「準*ニュートン法」です。

Excel を使い、「準*ニュートン法」によって解析結果が見事に導き出されたときは、ちょっとした感動ものです。

表計算ソフトExcel を用いて、「準*ニュートン法」を実際にどのように用いるかについては、次の書籍で詳述しています。
【資料7】
  1. 高田直芳の実践会計講座 戦略ファイナンス 255ページ

  2. 会計&ファイナンスのための数学入門 161ページ

  3. 高田直芳の実践会計講座 経営分析入門 166ページ

特に【資料7】1. の『高田直芳の実践会計講座 戦略ファイナンス』は、会計学や会計システムの世界に、「準*ニュートン法」を初めて持ち込んだ、自慢の1冊です。

【資料7】の書籍によって自信を得て応募したのが、冒頭に掲げた【資料1】の受賞論文です。


上記【資料7】1. の初版は、2008年10月。

それ以前で、私以外に、会計学や会計システムの世界へ「準*ニュートン法」を持ち込んだ書籍や学術論文は、1冊も1本もないことを、再確認しておきます。

日本だけでなく、欧米の書籍や学術論文を検索してみても存在しないことを、さらに念押ししておきます。


「準*ニュートン法」の理論的な背景を、簡単に説明しておきましょう。
ポイントは、漸化式にあります。

漸化式とは、ある数列において、それ以前までの項と、それ以後の項とを連結させる等式のことです。

数列の初項に漸化式を与えて、各項を無限に連結させていく方法が、ほら、高校のときに習った数学的帰納法になります。

数学的帰納法については、次の関連記事で、内部留保課税の計算の仕方で取り上げました。
【資料8:関連記事】

「円周率 \(\displaystyle \large \pi \) 」や「自然対数の底 \(\displaystyle \large e \) 」の近似値を求める場合も、この方法によります。

表計算ソフトのプログラム構造を確かめたことはないのですが、こうしたソフトには「 \(\displaystyle \large \pi = 3.14159265359 \) 」や「 \(\displaystyle \large e = 2.71828182846 \) 」などの「定数」が予め組み込まれているのではなく、ユーザーが要求する桁数に応じた漸化式を展開する仕組みになっているようです。

漸化式をどれだけの速さで積み上げることができるかが、スーパーコンピュータや量子コンピュータの演算速度として、自慢のネタになるわけです。


私が創設した会計物理学では、厳密な解を求めることができない場合に、しばしば、近似解で代替するケースが多くあります。

次の関連記事で紹介している、タカダ式複素費用関数も、その例の1つ。
【資料9:関連記事】

三角関数や標準偏差に、虚数や複素数が絡んでくると、代数的手法だけでは解けません。

そのとき、\(\displaystyle \large f(x)=0 \) という形の方程式をたて、「準*ニュートン法」によって近似解を求めます。

この場合の近似解とは、ゼロに近づく点を求めること。
ゼロになる解を探すのは不可能であっても、ゼロに近づくために漸化式を積み重ねていくことは可能。

話を戻すならば、上記【資料6】(2) もまた、漸化式を積み上げていくことによって解いていく式なのでした。

「準*ニュートン法」は、実数だけでなく、虚数でも、強力な武器となります。
楽しんでいるのは、私1人ですけれどね。

家庭用の量子コンピュータが、早く開発されてくれればいいなぁ、と待ち望む日々です。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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