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zoom RSS 公認会計士高田直芳:管理会計と微分積分が出会う街角

<<   作成日時 : 2018/07/27 01:00   >>

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管理会計と微分積分が出会う街角


管理会計論や原価計算制度に興味のある人で、もし、何らかのキッカケで微分積分に取り組みたい、という志を持ったとき、必ず出会う公式があります。
シンプソンの公式です。

次の赤チャート445ページで説明されています。
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赤チャートで説明されている「シンプソンの公式」は次のとおり。
【資料1】シンプソンの公式\[\displaystyle \large
\int_{ a }^{ b } f(x) dx \fallingdotseq \frac{h}{3} \left( y_0
+ 4 \sum_{ k = 1 }^{ n } y_{2k-1}
+ 2 \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } y_{2k}
+ y_{2n}
\right)
\]

私が高校生のときは「シンプソンの公式」なんて、教科書に載っていなかった。
いまの高校生が羨ましい。


オトナになってから「シンプソンの公式」に出会ったとき、最初は当然のことながら、避けて通り過ぎました。
「こんなものが、何の役に立つのか」と、反発する気持ちもありました。

当時のことを思えば、2018年7月27日付の日本経済新聞『春秋』の記述が胸に染み入ります。
【資料2】日本経済新聞『春秋』2018年7月27日

「批判」というと、相手の主張をやっつけることだと思うかもしれない。

が、もっと大切なもう一つの意味がある。自分の振る舞いが適切であるかどうかを省みることだ。


戸田山さんは、「こんなことをやっていて、いいのだろうか?」と反省する能力が教養で、世の中を良くする仕事は教養の持ち主にしかできない、と説く。


しばらくして、ニュートン力学の延長で偏微分方程式を独習しているとき、「ナビエ・ストークス方程式」というものに出会いました。

これは次のウィキペディアでも掲載されているように、米クレイ数学研究所でミレニアム懸賞問題になっているほど有名なシロモノ。
【資料3】出典:ウィキペディア

数学者にとって「ナビエ・ストークス方程式」は関心を持つべき問題です。

しかし、実務家の立場からすれば、そのような方程式の厳密解や一意性を追求する必要はありません。
企業実務に役立つ「近似解」を求められれば、それでいい。

そうなると、ナビエ・ストークス方程式は、学者と実務家とが袂を分かつ分岐点であることに気づく。

自分の振る舞いを省みて、どちらを選ぶかとなれば、実務の用に資する「シンプソンの公式」のほうです。


ということで、もう一度、岐路に立って【資料1】を眺めてみる。

学者は、例えば2次方程式 \(\displaystyle \large f(x)=ax^2+bx+c \) の原始関数を求めることに腐心する。
それに対し、実務家は、近似解でいい。

そこで、2次方程式 \(\displaystyle \large f(x)=ax^2+bx+c \) に「シンプソンの公式」を当てはめると、次のとおり近似値が瞬時に得られることを、実務家は知る。
【資料4】\[\displaystyle \large
\int_{ -h }^{ h } f(x) dx
= \frac{ h }{ 3 }
\biggl\{
f(h)+f(-h)+4c
\biggr\}
\]

手抜きを覚えた人工知能AIが活用しそう。

なお、次の関連記事で説明したニュートン法(準ニュートン法)も、厳密解を求めるものではなく、近似解を求める方法であったことを紹介しておきます。
【資料5:関連記事】

月次決算データや四半期決算データを扱うとき、そこに厳密解を求める人はいません。
ある程度の誤差を含んだ近似解でいい。

そういうとき、【資料1】の「シンプソンの公式」に必ず出会うことになります。

もちろん、ROE、EBITDA、WACCなどの、中学の算数レベルで一喜一憂している人たちが、シンプソンの公式やニュートン法に出会うことは決してありません。

微分積分という「言葉」は知っていても、原始関数や導関数の式の1つも立てられないようでは、彼ら(彼女ら)は観念的な言葉遊びをしているにすぎないのです。

特に、損益分岐点分析(CVP分析)を操る者たちよ。
あなたがたは未だに、そんなものを扱っていて、恥ずかしくないのだろうか?

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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