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zoom RSS 公認会計士高田直芳:線型計画法と人工知能が組んで正直者が損をする時代が始まる

<<   作成日時 : 2018/07/05 01:00   >>

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線型計画法と人工知能が組んで
正直者が損をする時代が始まる



管理会計論や原価計算論の、深度ある論点に、線型計画法というのがあります。
原語は、リニア・プログラミング( Linear Programming )。

視覚的に確認するのであれば、次の『スティグリッツ・ミクロ経済学』17ページにある〔図1-4 大砲とバターのトレードオフ〕で描かれている「社会の生産可能性曲線」が参考になります。
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上掲書の16ページで描かれている予算制約線を、生産可能性曲線のはるか右上方に設定し、予算制約線を左下方へ平行移動させながら、両曲線が接したところを「最適解」とする。
これが線型計画法。

線型計画法では、生産可能曲線を「制約条件」といい、予算制約線を「目的関数」といいます。

線型計画法は1947年に考案され、製造業・流通業・サービス業などにとどまらず、産業全体で広く活用されています。


線型計画法には、単体法と内点法というのがあります。
単体法は、シンプレックス法とも呼ばれます。

こってり系のシンプレックス法は、一度だけ手計算で解いたことがあります。
次の関連記事でも紹介したアルゴリズムとはどういうものかを知るためには、一度は解いたほうがいいでしょう。
【資料1:関連記事グ】
私はもう一度、解きたいとは思いませんけれどね。

内点法は、カーマーカー法とも呼ばれます。
変数の数が数百万や数億にものぼるビッグデータを扱う場合、単体法よりも内点法のほうが、最適解を見つけやすい。

ただし、これだけ膨大な数になると、もはや人の手に負えず、人工知能AIの独壇場になりつつあります。


数研出版『赤チャート数学UB』199ページに、シンプレックス法の問題が掲載されています。
【資料2】数研出版『チャート式数学UB』199ページ【練習122】

ある会社で2種類の製品A、Bを作っている。

Aを1kg作るには3種類の原料\(\displaystyle \large \alpha \)、\(\displaystyle \large \beta \)、\(\displaystyle \large \gamma \) をそれぞれ9kg、4kg、3kgを必要とし、Bを1kg作るにはそれぞれ4kg、5kg、10kg必要である。

\(\displaystyle \large \alpha \)、\(\displaystyle \large \beta \)、\(\displaystyle \large \gamma \) の総使用量はそれぞれ360kg、200kg、300kgを超えてはならないとする。

Aは1kgあたり7万円の利益があり(以下略)


なるほど、上記の問題は、企業会計審議会『原価計算基準』にある、費目別計算と製品別計算を見事に反映させています。

これを高校2年生が解くのか。
オトナが、うかうかしてはいられません。


次の拙著277ページに「金の斧 銀の斧」を題材にした、シンプレックス法を解説しています。

「えっ?! この話って、シンプレックス法だったの?」と驚く読者がいるかもしれません。

はい、この話は、シンプレックス法です。


シンプレックス法によれば、「正直者のおじいさん」の制作活動は「最適解である」という結論を導き出します。

しかし、企業実務は、そうはいかない。

利己主義に走る「不正直者のおじいさん」の制作活動のほうが、むしろ世の中のためになることを、上掲書284ページから285ページにかけて説明しています。

これが、人の手を介した場合の線型計画法。


シンプレックス法やカーマーカー法などの線型計画法は、今後、人工知能AIが担うことになるのでしょう。

しかし、人工知能AIが導き出す最適解が、必ずしも世の中のためになるとは限らないことを、「金の斧 銀の斧」の逸話は証明してくれています。


人工知能AIによって、線型計画法は、ブラックボックスになる。
人工知能AIが導き出した「解」が最適なものなのかどうか、ヒトには判断できなくなる。

それにより、正直者がバカを見る時代が始まろうとしています。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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