会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
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執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
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zoom RSS 公認会計士高田直芳:実質無借金を自慢する決算書は標準偏差が苦手な証拠

<<   作成日時 : 2018/07/13 01:00   >>

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実質無借金を自慢する決算書は
標準偏差が苦手な証拠



次の関連記事では「短期決算・中期決算・長期決算」という造語を取りあげました。
【資料1:関連記事】

別に、奇をてらうつもりはありません。

「決算」というのは1年サイクルで営まれるものなので、これを細分化させたらどうなるだろうか、という視点で、短期決算などの3分類としたまでのこと。

月次のコスト管理と、日次のキャッシュ管理は、ともに重要な業務です。

次の関連記事では、数種類の「最適キャッシュ残高方程式」を紹介しました。
【資料2:関連記事】

上記【資料2:関連記事】で紹介した方程式は次のとおり。
【資料3】
  • 2項分布を応用した最適キャッシュ残高方程式その1\[\displaystyle \large \sum\left(\begin{array}{cc}\frac{1.88\sigma}{p\sqrt{m}} \\\ a \end{array}\right)\cdot p^a\cdot(1-p)^{{\frac{1.88\sigma}{p\sqrt{m}}-a}}=1-p \]
  • ポアソン分布を応用した最適キャッシュ残高方程式その2\[\displaystyle \large {\small{\sum}} \frac{\left(\begin{array}{c} \frac{1.88 \sigma }{ \sqrt{m}} \end{array}\right)^a }{a!} =0.097\cdot e^{{\frac{1.88\sigma}{\sqrt{m}}}} \]

上記【資料3】にある2本の方程式ともに、標準偏差 \(\displaystyle \large \sigma \) を制御するものとして、\(\displaystyle \large \sqrt{m} \) という要素を組み込んでいます。
これは“ \(\displaystyle \large \rm{monthly} \) ”の“ \(\displaystyle \large \rm{m} \) ”の平方根です。

週次( \(\displaystyle \large \rm{weekly} \) )であれば \(\displaystyle \large \sqrt{w} \) で、また、日次( \(\displaystyle \large \rm{daily} \) )であれば \(\displaystyle \large \sqrt{d} \) で、それぞれ標準偏差 \(\displaystyle \large \sigma \) を制御することになります。


こうした最適キャッシュ残高方程式に \(\displaystyle \large \sqrt{m} \) を組み込む理由は、次の拙著218ページで説明しました。
会計&ファイナンスのための数学入門
高田 直芳〔日本実業出版社〕
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2項分布やポアソン分布を基に、\(\displaystyle \large \sqrt{m} \) を組み込む前の方程式を導き出すのは、高校で学んだ数学の知識があれば難しいことではありません。

最も困難だったのは、日別や月別のデータ数が増えるにつれて、標準偏差 \(\displaystyle \large \sigma \) が拡散することでした。

すなわち、\(\displaystyle \large \sqrt{m} \) を組み込む着想を、どうやって得たか。


次の辞典では、複数の正規分布を組み合わせたものは、やはり正規分布を構成する、という法則があることを紹介しています。
「これだ!」と快哉を叫んだ瞬間です。
数学定理・公式小辞典
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上掲の辞典397ページでは、「確率の加法法則」または「正規分布の加法性」に関する公式が、次のとおり掲載されていました。
【資料4】聖文新社『数学定理・公式小辞典』397ページ
  • 確率の加法法則または正規分布の加法性
\begin{eqnarray} \large P \left( \bigcup_{ j = 1 }^{ n } A_j \right) = S_1-S_2+S_3- \cdots +(-1)^n S_n \end{eqnarray}

上記【資料4】に基づき、3か月分のデータを加え合わせて正規分布になる法則があるのなら、これを \(\displaystyle \large \sqrt{3} \) で割ることによって、1か月分のデータに引き直す。

引き直した後もまた、正規分布になるだろう、という確信を得て、【資料3】では、標準偏差 \(\displaystyle \large \sigma \) を、\(\displaystyle \large \sqrt{m} \) で割ることにしたのです。


月数 \(\displaystyle \large m \) で単純に割るのではなく、その平方根である \(\displaystyle \large \sqrt{m} \) で割る理由は、標準偏差の一歩手前にある「分散」という概念との平仄を合わせるためです。
標準偏差 \(\displaystyle \large \sigma \) は、分散 \(\displaystyle \large \sigma^2 \) の平方根だから。

私以外で、もし、同様の方程式を提示する人が現れた場合で、その式に標準偏差 \(\displaystyle \large \sigma \) を制御する「要素」を設定しているときは、拙著『会計&ファイナンスのための数学入門』の盗用であることが一発でバレる仕掛けでもあります。
【資料5:関連記事】

とはいえ、2項定理の手前に聳(そび)える「パスカルの三角形」という山の、その麓に辿り着くまでが大変だ。

1合目で「オレは高校1年の夏で、数学を放棄したんだぞ」と、妙な自慢をしているヤカラの、何と多いことか。

実質無借金を誇らしげにしている企業の決算書に、その気配を強く感じるのは、夏の日差しが強いせいばかりではあるまい。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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