会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia
© 2015 TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
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zoom RSS 公認会計士高田直芳:管理会計や経営分析に加速度を持ち込むと恥をかくぞ

<<   作成日時 : 2018/08/20 01:00   >>

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管理会計や経営分析に
加速度を持ち込むと
恥をかくぞ



減価償却方法に加速度償却というのがあります。
「財務会計の世界」の話だから「加速度」という語を用いても問題ありません。

それに対し、管理会計や経営分析の世界で「加速度」という語を安易に用いると、恥をかくので気をつけたほうがいいですよ。

物理学において、加速度というのは、変位 \(\displaystyle \large x \) を時間 \(\displaystyle \large t \) で2階微分したもの、または速度 \(\displaystyle \large v \) を時間 \(\displaystyle \large t \) で1階微分したものです。
【資料1】\[\displaystyle \large \frac{d^2}{dt^2} f(x) =加速度 \qquad または \qquad \frac{d}{dt} f(v) =加速度 \]

加速度を一定とした場合、速度は1次関数で表わされ、変位は2次関数で表わされます。
2次関数で表わされるものは、放物運動といいます。

こうした微分積分の仕組みについては、次の関連記事で説明しました。
【資料2:関連記事】

社会科学でも、似た議論があります。

例えば、総費用や平均費用を2次関数で表わすのは、次の関連記事で説明したように、経済学の定番です。
【資料3:関連記事】

経済学では総費用を2次関数で表わすのだから、経済学は総費用を、放物運動と捉えていることになります。


放物線(2次関数)を微分すると、1次関数になります。

この1次関数に基づいて展開されるのが、管理会計や経営分析などの世界で、絶対的通説として君臨する損益分岐点分析(CVP分析)です。

その先に瑕疵や誤謬があることなど思い至らず、思い込んだら一直線で進もうとするのが、会計の世界です。


経済学や会計学の世界で「加速度」という用語を、粋がって用いる御仁をときどき見かけます。
それは結局、2次関数や1次関数に帰着する。

社会科学の体系からすれば「何を今さら偉そうに」と笑われるのがオチであることが、おわかりいただけるでしょう。


ところで、次の受賞論文の立場に立てば、加速度という概念は、まったく異なるルートを辿ります。
【資料4】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

上記の受賞論文では、企業活動の本質は複利計算構造にある、と捉えています。

その発想の原点は、現実の企業活動や経済現象では次の【資料5】に示す事実を観察することができる、という実務経験に基づきます。
【資料5】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。

    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。

    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。

    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限回数で繰り返すその様は、無限で連鎖する複利計算を行なっていることと同じです。
  • 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限回数の複利計算を行なっていくことと同じです。

すなわち、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造は、無限回数で連鎖する複利計算機構を内蔵していることがわかります。


先ほど「まったく異なるルートを辿る」と述べました。
どのように異なるのか、については、次の体系図を参照。
【資料6】\[\displaystyle \large
\begin{eqnarray}加速度 \rightarrow \begin{cases} 速度
\rightarrow \begin{cases} 2次関数 & \rightarrow & 経済学
\\ 1次関数 & \rightarrow & 会計(\rm{CVP}分析) \end{cases}
\\ \\ 複利関数
\rightarrow \left( \begin{array}{l} タカダ式 \\ 操業度分析 \end{array}\right)
\rightarrow 会計物理学
\end{cases}\end{eqnarray}
\]

経済学や会計でメシを食う人たちが100万人いるとするならば、そのうちの99万9999人は、【資料6】上段にある「速度」を経由したルートを辿ります。

それに対し、私(高田直芳)1人が、【資料6】下段にある「複利関数」を経由したルートを辿ります。
上記【資料4】の受賞論文で述べているように、企業活動の本質が複利計算構造を内蔵している、と捉えているからです。


複利関数の最大の特徴は、これを微分しても複利となり、これを積分しても複利となる点です。

その仕組みについては、次の書籍280ページ(微分の公式集)と、同381ページ(積分の公式集)を参照。

自然対数を内蔵した複利関数が、2次関数や3次関数になることはありません。


管理会計や経営分析の世界で、速度や加速度を振りかざす人をときどき見かけるのは、その頭上に、ブラックホールのような、巨大な重力場を想定しているからでしょう。

これは次の関連記事で指摘した通り。
【資料7:関連記事】

上記【資料6】で特に気をつけたいのが、会計学。

発想が貧困で、実務を疎かにし、思い込みが激しいから、「学」のない「会計」と呼ばれることが多い。
経済学と同じルーツなので、どうでもいい話ですが。


今年の夏に読んだ次の1冊を、管理会計論や原価計算制度でメシを食う人たちに捧ぐ。
【資料8】『ガリレオの生涯』162ページ

科学が貧困である最大の理由は、たいていは思い込みが充満しているからだ。

科学の目的は無限の英知の扉を開くことではなく、無限の誤謬にひとつずつ終止符を打っていくことだ。

ガリレオの生涯
光文社古典新訳文庫

ブレヒト  谷川 道子 (翻訳)

ちなみに、姓はガリレイで、名はガリレオ。

名(ガリレオ)のほうで呼ぶことが多いのは、イタリアでは、歴史上の偉人を名で呼ぶ慣習があるからだそうです。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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