会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

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zoom RSS 公認会計士高田直芳:新古典派マクロ経済学と経済物理学

<<   作成日時 : 2018/08/26 01:00   >>

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新古典派マクロ経済学
と経済物理学



このところ経済学にはご無沙汰で、新古典派マクロ経済学という呼称は、知りませんでした。
【資料1】日本経済新聞『活字の海で』2018年8月25日
  • 物理学を経済学に応用
    “二刀流”でマクロ現象を説明

上掲記事は、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校名誉教授への追悼文です。

私もかつて、何とかの一つ覚えみたいにDCF(ディスカウントキャッシュフロー)やNPV(正味現在価値)を繰り出す管理会計に辟易し、経済物理学や確率微分方程式の世界に奥深く踏み行ったことがありました。
【資料2:関連記事】

だから、上掲【資料1】の日経記事にある、次の説明文が、何となくわかる。
【資料3】日本経済新聞『活字の海で』2018年8月25日

マクロ経済学といえばかつては、経済データを集計し、全体の動きを分析する「ケインズ経済学」を指した。

70年代以降、流れが変わり、ケインズ経済学は家計や企業の行動を分析する「ミクロ的な基礎」が欠けるとの批判が強まる。

現在の経済学界では、「代表的な」家計や企業が合理的に行動し、効用(満足度)や利潤を最大にすると仮定するモデルでマクロの動きもとらえる「新古典派マクロ経済学」が主流となっている。


世界経済や日本経済を解き明かすために、統計物理学を利用しようというのが、新古典派マクロ経済学のようです。


でも、ちょっと待てよ。

上掲の日経記事【資料2】では、「ミクロ的な基礎」や「企業が(略)合理的に行動し、(略)利潤を最大にすると仮定するモデル」とあります。

この、ミクロ的な基礎となる利潤最大化条件を、式で表わすと、次の通りであることを、まずは確認しておきます。
【資料4】

限界収入(MR:Marginal Revenue)

    =限界費用(MC:Marginal Cost)

上記【資料5】の式(MR=MC)については、次の書籍499ページ〔表16-1〕を参照。
マンキュー経済学T
ミクロ編(第3版)

東洋経済新報社
N.グレゴリー マンキュー
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上掲書『マンキュー経済学』476ページと502ページでは、「MR=MC」を説明するために、2次関数が示されています。
これが「ミクロ的な基礎」です。

多の類書も同じ2次関数を掲載していることから、新古典派マクロ経済学や経済物理学は、膨大な経済データを2次関数で解析して、それに「MR=MC」を当てはめようとする理論であることがわかります。

しかし、失礼ながらそれって、シャツの第1ボタンをとめる時点で、掛け違えを起こしていませんか。


現実の企業活動や経済現象では、次の【資料5】に示す事実を観察することができます。

特に【資料5】の 4.と 5.が重要。
【資料5】
  1. 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。
    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  2. 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。
    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  3. 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。
    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限回数で繰り返すその様は、無限で連鎖する複利計算を行なっていることと同じです。
  4. 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  5. マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限回数の複利計算を行なっていくことと同じです。

すなわち、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造は、無限回数で連鎖する複利計算機構を内蔵していることがわかります。

現実の経済活動は、断じて2次関数ではない。


上記【資料5】を、会計物理学という独自のノウハウでまとめたものが、次の【資料6】の受賞論文です。
【資料6】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

内閣府から公表されている「SNA産業連関表」に、上記【資料6】の理論を当てはめて、ニッポン経済を解析したのが、次の「パワーポイント資料」17ページと18ページです。
【資料7:関連記事】

新古典派には、“ neo-classical ”と“ new-classical ”という、修辞学的な争いがあるらしい。

どちらも2次関数を使用しているのだから、私(高田直芳)が創設した会計物理学からすれば、“ neo ”も“ new ”も五十歩百歩。


次の関連記事では、複利計算構造に基づかない原価計算制度では、コスト管理が崩壊する、と述べました。
【資料8:関連記事】

新古典派マクロ経済学は、同じ轍を踏んでいないか。

重ねて失礼ながら、複利計算構造に基づかず、膨大な経済データを2次曲線上で展開するのは、第1ボタンの掛け違えもいいところ。

ファッションセンスを持たずに闊歩されては、世界経済やニッポン経済が救われない。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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