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zoom RSS 公認会計士高田直芳:13か月決算と善意の粉飾決算

<<   作成日時 : 2018/09/21 01:00   >>

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13か月決算と
善意の粉飾決算



12か月決算ではなく、13か月決算の話です。
企業実務に携わる人であれば、わかる話。
実務を知らない人には、わからない話。

要は、12か月目までは通常の月次決算を行ない、決算整理仕訳や再振替仕訳を13か月目で入力する仕組みです。

翌期更新を行なったとき、13か月目の再振替仕訳が、翌期に引き継がれます。

現在の会計システムは優秀なので、13か月決算の機能は当然装備されている──、と思っていると足をすくわれる。

稀に、その機能を有していない会計システムがあって、「あれっ?」と面食らうことがあります。

業歴の古い大企業では「あれっ? あれれっ?」を連発することがあります。

ところで、中堅中小企業の経理で、自計化と称して13か月決算に手を出すのは、個人的には好ましくない、と考えています。

なぜなら、「善意の粉飾決算」に繋がる可能性が高いから。
【資料1:関連記事】

「ヒトの善意」が、どれほど厄介なものであるかは、次の拙著301ページで説明しました。
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なぜ、こういう話題を持ち出したかというと、立て続けに「善意の粉飾決算」に遭遇したから。

諸口勘定を利用した粉飾決算とは、別の世界です。
【資料2:関連記事】

例えば、前期まで、地代家賃を年払いにしていたとしましょう。
これを月次決算に取り込むには、毎月、未払金を計上し、13か月決算で精算することになります。

当期になって、月払いの契約に変更したとしましょう。
この場合、善意の人たちは、善意であるが故に、前期に倣って、毎月、未払金を計上していきます。

そうすると、13か月決算では、どうなるか。
実に奇妙な決算書を、目の当たりにすることができます。

これと似た事例は、源泉所得税などでも観察することができます。
【資料3:関連記事】

善意の粉飾決算に手を染める人に「なぜ、こうしたのか」と問うと、全員が次の答えかたをします。
【資料4】

前から、そうしていたから。

前任者から、そう教わったから。


これが、善意の粉飾決算です。


前期までと同じ会計処理を行なって、それにより当期に奇妙な決算書ができあがっても、それは地代家賃の契約に問題があるのであって、会計処理に問題はない、という理屈。

もし、前期と異なる会計処理を行ない、「前期と当期で大きな増減があるのは、なぜだ」と詰問されて、継続性原則の責任を問われるのは困る。

つまり、善意の粉飾決算の多くは、前期までの会計処理や契約形態などに「人格」を与えて、彼に責任を転嫁するものです。


まぁ、現場がそういう態度をとるときは、経営者も似たような論理を繰り出しますがね。

会社の儲けが増えない会計処理は無視し、水増しが可能な会計処理に拘る。
これが高じると、悪意の粉飾決算になる。

善意と悪意が入り交じり、これに13か月決算が乱入すると、病膏肓に入った決算書ができあがる。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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