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zoom RSS 公認会計士高田直芳:期待収益率と資本コスト〜提灯ぶら下げて煽るものには気をつけろ

<<   作成日時 : 2018/10/18 01:00   >>

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期待収益率と資本コスト
提灯ぶら下げて煽る
ものには気をつけろ



ときどき「良質の記事を提供してくれるなぁ」と感心するのが、日本経済新聞で連載される解説記事。
【資料1】日本経済新聞2018年10月17日
  • 投資のものさし 資本コストを学ぶ(下)
    借金巧者アップル 資本コスト削減 株高に。

ただし、「おや?」と小首を傾げざるを得ない記述も、たまに見かける。
これには注意が必要。
【資料2】日本経済新聞2018年10月17日

資本コストは投資家が企業に要求する期待リターン。社債は株より投資リスクが低いため期待収益率は小さい。

利払いは課税利益を減らす効果もある。負債を適度に交ぜれば、株とあわせた全体の資本コストは下がる。


もっとも負債活用も程度問題だ。格付けが極端に低くなれば金利は上がり、倒産リスクを嫌気する株主からの期待収益率のハードルも上がる。


上掲記事で2度も登場する「期待収益率」。
実は、こいつが、クセ者。


上掲記事で紹介されている「有利子負債比率8%と31%」や「加重平均資本コスト率9.3%と7.0%」という百分率は、「接線の傾き」の大きさを比較しているにすぎない。

「接線の傾き」がゼロとなる極値を述べているものではない、ということです。

すなわち、上掲記事は、有利子負債比率の最大値、または、期待収益率や加重平均資本コストの最小値は「どこにあるのか」ということまでは述べていない点に注意する必要があります。


こうした問題は「百分率」だけでなく「利益」でも現われます。

次の関連記事でも紹介したように、現代の会計理論やファイナンス論では、「最高益」を語れる人はゴマンといますが、「最大益」を語れる人が1人もいない。
【資料3:関連記事】

加重平均資本コスト率の最小値または期待収益率の最大値を、微分積分によって求める方法については、次の関連記事で説明しました。
【資料4:関連記事】

縦書きの文章で、資本コストを語る人たちを見ていると、胸焼けを起こしそう。
ま、こういうものは、実務家が深入りするものではないですがね。


次の記事にも要注意。
【資料5】日本経済新聞2018年10月17日

「絶対にバイ(買い)だ。なぜ日本の投資家は悲観的なのか」。

香港拠点のヘッジファンドの運用責任者は、総額7兆円弱の大型買収を決めた武田の株式を買い増した。


上掲記事に踊らされて、武田株を買う投資家はいないと考えています。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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