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zoom RSS 公認会計士高田直芳:知的財産の移転価格税制とディスカウントキャッシュフロー

<<   作成日時 : 2018/11/10 01:00   >>

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知的財産の移転価格税制と
ディスカウントキャッシュフロー



「そんな政策を採用して大丈夫か」と心配になったのが、次の日経記事。
【資料1】日本経済新聞2018年11月9日

財務省は特許などの知的財産権を税率の低い国に移して節税する行為への対策を強化する。

日本の本社と海外子会社との取引価格を規制する移転価格税制を見直し、将来得られそうな利益などを勘案して適正価格を見積もる方法を導入する。


上掲記事では続いて「将来得られそうな利益などを勘案して適正価格を見積もる方法」を、次のとおり紹介しています。
【資料2】日本経済新聞2018年11月9日

価格設定しにくい知財を取引する場合、将来得られそうな利益からリスク要因を割り引き、価格を計算するディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)を認める方針だ。


財務省は、DCF法を「法律で規定する」(上掲記事)というのだから、思い切った方針を採用するものだ。

なお、上掲記事の元ネタ(財務省の会議資料)については、次の資料15ページを参照のこと。
【資料3】

しかし、それって大丈夫か?
みんな、「あつもの」に懲りていないのか?


心配する理由の1つめは、DCF法には「理論上の瑕疵」があるにもかかわらず、それを誰も認識せずに、DCF法を導入しようとしているから。

次の記事で、自ら認めているではないですか。
【資料4】日本経済新聞2018年11月9日

例えば創薬は多くの化合物から実際に薬として承認を受けられるのは1万分の1程度とされる。

知財が大した価値を生まないこともあれば莫大な利益を稼ぐ例もあり、こうした事態に対応できるようにする。

ただ、経済界に慎重論が根強く、財務省はDCF法を使って価格を決めた場合に限定して適用する方向で検討を進める。


現在のDCF法の考え方は、コテコテの決定論です。
その決定論で、1万分の1の確率をコントロールできるのか。
【資料5:関連記事】

たとえるならば、決定論の代表であるニュートン力学で、確率論が支配する量子力学をコントロールしようとするもの。


理由の2つめは、M&Aに、ディスカウント・キャッシュフロー法を適用して、巨額の減損に見舞われた過去を、忘れたのか。
【資料6:関連記事】

「あつもの」に懲りずに、財務省も経済界も無茶をいう。
M&Aに続いて、移転価格税制もなかなか面白い展開になりそうだ。

〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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