会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳

アクセスカウンタ


制作著作 高田 直芳 公認会計士 税理士
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia
© TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文 (PDF 32枚)
『会計学と原価計算の革新を目指して』
執筆者(受賞者)公認会計士 高田 直芳
日本公認会計士協会 研究大会 発表論文 (PDF 12枚)
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
執筆者(発表者)公認会計士 高田 直芳
上記研究大会のパワーポイント資料は、こちら。
関東信越税理士界『論陣』掲載論文(PDF 3枚)
『有償支給取引と循環取引に内在する
 税務リスクについて』
執筆者 高田 直芳

zoom RSS 公認会計士高田直芳:瑕疵ある分析ではLIXILが救われない

<<   作成日時 : 2018/11/17 01:00   >>

トラックバック 0 / コメント 0


瑕疵ある分析では
LIXILが救われない



「う〜ん、これは困った話だ」と痛感したのが、次の記事。
【資料1】日本経済新聞2018年11月17日
  • 株価低迷のLIXIL 迫る「2020年の崖」
    主力アルミサッシ 需要減観測

上掲記事では、損益分岐点が高くなりすぎていることが指摘されていました。
おいおい、そのような分析では困るぞ。

LIXILの内紛はともかく、企業外部の者の分析能力に問題があっては、どうにも救われない。

損益分岐点を用いた分析(CVP分析)は、次の受賞論文で論証しているように、「瑕疵ある理論」であることを、まずは指摘しておきます。
【資料2】
新日本法規財団 奨励賞 受賞論文
『会計学と原価計算の革新を目指して』(PDF32枚)
執筆者(受賞者)公認会計士 高田直芳


日本公認会計士協会 研究大会 発表論文
『管理会計と原価計算の革新を目指して』(PDF12枚)
執筆者(発表者)公認会計士 高田直芳

瑕疵であることの最大の原因は、損益分岐点分析が、直線形の単利計算構造に基づいている点にあります。


直線形ということは、損益分岐点を超えた先には、無限の利益拡大が保証されているということ。

だから、損益分岐点分析に固執するのであれば、安値販売であろうが在庫一掃処分であろうが、LIXILは売上高をがんがん増やせばいい、という結論になります。

損益分岐点を超えさえすれば、その先には、ユートピアの世界が広がっているのだから。


いや、ちょっと待て。

損益分岐点分析を振りかざす者たちよ。
そういう視点で企業を分析するのは、いい加減にやめてほしい。

特にLIXILは、そういう視点で分析するものではない。


上掲【資料1】では、LIXILの業績を分析するにあたって2つの現象が、ヒントとして提示されていました。
そこを読み取らないと。
【資料3】
  • 1つは、2020年の崖。
  • もう1つは、値決めルールの変更。

上記【資料3】は、損益分岐点の位置が高くなりすぎているかどうかとは関係がないことを読み取らないと。


LIXILの業績を分析するにあたり、上記【資料2】の受賞論文に掲載している図表を以下に掲げて、損益分岐点の愚かさを説明してみましょう。
【資料4】タカダ式操業度分析
画像

上記【資料3】にある現象は、【資料4】の右上方にある収益上限点(点E)を左下へ貶(おとし)める効果があります。
これが、LIXILが直面している問題だ。

売上高が増えるにつれて、赤字から黒字へ転換する損益操業度点(左下に位置する点B)が高くなるかどうかは関係がないのです。


上記【資料4】にある曲線ABCDEは、次の【資料5】に示す企業活動を観察したことにより導き出したものです。
【資料5】
  • 製造業に勤務する人であれば、工場内の各工程を観察してみてください。

    • 工場内に無数に存在する工程に、材料費・労務費・経費を次々と投入していくと、無限回数の振り替え計算が行なわれていることがわかります。

    • 材料・仕掛品・製品などが入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 流通業に勤務する人であれば、店舗に置かれた商品を観察してみてください。

    • 日々仕入れた商品は、棚に補充したそばから、消費者へ次々と販売されていきます。

    • 膨大な商品が入庫と出庫を繰り返し、コストが徐々に膨張していく姿は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • 財務や経理に携われる人であれば、手元にある帳簿を観察してみてください。

    • 上場企業のような大規模組織になると、帳簿に記帳される仕訳の数は、1日で数百行や数千行にものぼります。

    • 振り替えの仕訳を含めれば、年間では数億行や数十億行の仕訳の数になります。

    • 入金と出金を無限回数で繰り返すその様は、無限で連鎖する複利計算を行なっていることと同じです。
  • 株式市場や仮想通貨市場を観察してみてください。

    • 人気が沸騰すればするほど、限りなくゼロに近い時間軸の中で、膨大な数の取引が行なわれます。

    • 買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶその経済現象は、無限回数の複利計算を行なっていることと同じです。
  • マクロ経済の産業連関表を観察してみてください。

    • ある産業で生産された中間財は次の産業へ投入され、そこで生産された中間財は次の産業へと投入されていきます。

    • その流れは、マクロ経済レベルで、無限回数の複利計算を行なっていくことと同じです。

すなわち、企業のコスト構造やミクロ・マクロの経済構造は、無限回数で連鎖する複利計算機構を内蔵していることがわかります。

その「複利計算の思考」で描いたのが、【資料4】のタカダ式操業度分析です。


では、収益上限点(点E)が左下へ移動すると、どう結果を招来するか。
それを図解したのが、次の【資料6】です。
【資料6】
画像

上記【資料4】の曲線ABCDEは、【資料5】にある赤色の曲線にあたります。

LIXILが抱える【資料3】の現象は、赤色の曲線を、左方向へシフトさせます。
これにより、右上方にある収益上限点(点E)が左下方へと滑り落ちていき、左下にある損益操業度点(点B)に近づいていく。

赤色の曲線は、緑色の曲線を経て、青色の曲線へとシフトし、次の関連記事で述べているように、このまま手をこまぬいていては、LIXILもいずれ虚数解を現出させることになるのです。
【資料7:関連記事】

LIXILよ、おまえもか。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia

© TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.

テーマ

注目テーマ 一覧



月別リンク

会計物理学&会計雑学講座
Accountphysics & Accounting Trivia

© TAKADA Naoyoshi & CPA FACTORY Co.,Ltd.

日経eラーニング


独自システム開発


高田直芳 公表論文

『会計学と原価計算の革新を目指して』
『管理会計と原価計算の革新を目指して』
『有償支給取引と循環取引に内在する税務リスクについて』

高田直芳 拙著一覧


公認会計士高田直芳:瑕疵ある分析ではLIXILが救われない 会計物理学&会計雑学講座公認会計士高田直芳/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる