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zoom RSS 公認会計士高田直芳:M&Aを仕掛けた上場企業の枕元に気をつけろ

<<   作成日時 : 2019/06/03 01:00   >>

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M&Aを仕掛けた上場企業
の枕元に気をつけろ



「昭和の名人」と謳(うた)われた六代目・圓生(または円生)の落語に「死神」があります。

仕事がうまく行かず家族からも散々コケにされて、丑三(うしみ)つどきの境内で首を吊ろうとした男が、死神から次のアドバイスを受ける。
「足元に死に神がいればその病人は助かるが、枕元にいる場合はじきに死ぬ」と。

その見立てに従い、ダメ男は名医となって財を築く。

あるとき、枕元に死神が立っている病人の家族から「1万両を払うから助けてくれ」と懇願される。

一計を案じた男は、死神が居眠りをした隙に、布団をぐるりと回し、頭と足を逆転させて、まんまと1万両を手に入れました。

ところが、その不正行為に怒った死神が、無数のロウソクが灯った穴蔵に男を閉じ込め、今にも消えそうなロウソクを指し示して、「お前の命はこのロウソクと同じで、もうすぐ死ぬ」と脅す──。


六代目・円生の、巧みな話術から繰り出される落語を視聴していたとき「M&Aの話に、よく似ているなぁ」と感じ入ったのでありました。
【資料1:関連記事】

M&Aも落語の「死神」に似て、どこかの穴蔵にあるロウソクで、その成否がすでに決められているのか。

それとも、布団をくるりと引っ繰り返すように、経営者の手腕によって、ロウソクの長さや太さを人為的に操作できるのか。


まず、被買収企業で常に問題となるのが、のれんという名の企業価値です。
その価値が低下した場合は、減損損失を計上する必要がある。

次に、世界中でM&Aブームが吹き荒れる昨今、あらゆる企業で、巨額ののれんが積み上がっている点に注意する必要があります。

裏を返せば、巨額の減損が一気に吹き出すリスクを抱えているということ。


現在の国際会計基準(IFRS基準)によれば、のれんの定期償却は不要であり、米国基準も同じ扱い。

欧米などでは、ロウソクは「できるだけ長くする(先送りする)」のが基本。
ただし、減損を先送りしたときの「しっぺ返し」の影響は大きく、のれんの見立てを誤れば、ロウソクは根本からバッサリと切り落とされることを覚悟しておく必要があります。

それに対し、ニッポンの会計基準では、のれんの定期償却を義務づけています。
毎年、ロウソクを均等に切っていくのは、これはこれで、つらいものがある。


会計基準によって、ロウソクの扱いに彼我の差がある。
ニッポンの会計基準のほうが、ちと辛(から)い。

そのせいなのでしょう。
武田薬品工業やソフトバンクなどに限らず、ニッポン企業の多くがIFRS基準に鞍替えし、強気のM&A戦略を展開しています。
【資料2:関連記事】

IFRS基準を巧みに操り、M&Aを手掛けた企業はみな、自信満々でその一歩を踏み出したのでしょうが、「ちょっと待てよ」と申し上げておく。


M&Aを行なうに際して算定される、のれんの計上額は、大丈夫なのか。

次の関連記事でも指摘しているように、一般公式や実務解を持たない管理会計やファイナンス理論によって、鉛筆ナメナメで計算しているだけではないのか。
【資料3:関連記事】

また、次の関連記事でも指摘しているように、加重平均資本コストWACCを微分したり、DEレシオを積分したりするノウハウを持たずに、よくもまぁ、減損を語れるものだなと。
【資料4:関連記事】

のれんを計上したり、減損を先送りしたり。
所詮は、ヒトが自分の都合のいいように作った制度の中で、都合のいいように運用しているにすぎない。

ロウソクの長さや太さを人為的に操作していては、死に神に呆れ返られるだけだろう。
〔文責 高田直芳 税理士 公認会計士〕
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